認知症は身体活動で如何に予防されるのか
2017-07-31

認知症は身体活動で如何に予防されるのか
Link de Diet. 2017.7.24 , EurekAlert


加齢に伴う認知症やその他の障害の予防に対して身体活動が有効であるという研究はたくさん発表されている。

本研究は、身体活動が脳内の代謝に対してどのような影響を与えているのかについて検討した、
世界初のものであるという。フランクフルト・ゲーテ大学の研究者らによる報告。

身体活動が脳に及ぼすと考えられる有益な作用についてより深く解析するために、
老年医学者とスポーツ医学者が連携して検討を行った。

65歳から85歳の被験者60人の記憶力と脳内代謝についてランダム化比較試験で検討をした結果、
定期的な運動は身体的フィットネスを向上させるだけで無く、
脳代謝にも有益な作用をもたらすと言えそうだというのである。

研究者らはこの研究を高齢者のスポーツと代謝に関する
MRIを用いた研究という事でSMART研究と名付け、検討を行った。

初回測定で、身体活動性に関するパラメータと、心血管性フィットネス、
認知的パーフォーマンスを測定することに加えて、MRIを用いて脳内活動を解析、
核磁気共鳴スペクトロスコピー法で脳内の代謝と脳構造についても測定した。

この検討に引き続いて、被験者はエアロバイクを用いた週当たり3回の運動セッションを12週間にわたっておこなった。
一回あたりの運動は30分間であり、被験者の体力レベルに応じて負荷は変更されていた。

被験者はさらにプログラムの最末期において、身体活動が脳に対して与えた影響を検討する為に初回と同じ検査を実施した。
研究者らはさらにどの程度の運動を行う事が被験者のフィットネスレベルを増進させるのかについても検討した。

予想されたとおり、身体活動は脳代謝に影響を与えていた。
身体活動性を高めることで、脳内でのコリンの増加を抑制したのだ。

コリンの増大は神経細胞の損失の結果として起こり、アルツハイマー症では典型的な症状である。
運動介入群では、身体活動は脳内のコリン濃度を安定化させることに役立っていたことがわかったのだ。

一方で、コントロール群でのコリンレベルは増大していた。
被験者の身体的フィットネスも勿論増大しており、
トレーニング期間後で心血管性効率が改善していることがわかった。

全体的に言って、これらの知見から、運動が身体的フィットネスを増大させるだけではなく、
細胞を保護するような作用を持っている事が示唆されている、とまとめられている。

出典は『トランスレーショナル精神医学』。 

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